増えるMBO その後
(ニュースの概要)
MBO(経営陣が参加する買収)で株式を非公開にした企業の再建が遅れている。MBOは再上場して投下資金を回収するのが一般的だが、七割近くが再上場の具体的な計画を持っていないことが分かった。事業環境の悪化で業績が思うように回復しないケースが増えており、再上場そのものを断念したところも多い。MBOによる企業再建モデルは変質を迫られているようだ。
2008/09/05, 日本経済新聞 朝刊, 3ページ, 有, 1173文字
(解説)
株価の低迷によりMBOを検討する企業は多い。しかしながら、MBO後に事業を再編し、再上場というシナリオどおりにはなかなかいかないようだ。事業の再編はMBOするかしないかには影響しない。MBOによって、例えば経営陣が変われば、あらたな戦略に基づいて事業価値が上がる可能性はある。あるいは、MBOに協力したファンドから経営のノウハウや、戦略作成のアドバイスを受け、それによって会社が立ち直ることはありえる。これでうまくいったケースはカーライルが出資したキトーだ。
そうでなければ、MBOしたからといって、簡単に業績があがるはずもない。MBO後にどのように会社の価値を上げるのかという戦略が描けなければ絵に描いたもちで終わってしまう。
(疑問1)
よいMBOとは何か?
(ニュースはこう読め)
個人的には、上場企業を非上場化させるMBOには積極的に賛同できない。再上場を目指すという時点で、なんとなく自己矛盾を感じてしまうからだ。この記事を見ても結果としてあまりうまくいかないようだ。
私が考えるよいMBOとは、例えば、親会社から独立を目指す子会社の経営陣が取るMBOだ。これは、親会社が何らかの事情で子会社を他社に売却しようと考えているとする。子会社の経営陣としては、まったく新規の親会社の元で経営をすることを求められる。うまく戦略が合えばよいが、買収した新しい親会社と組むデメリットもありえる。そうであれば、自らが自社の株式を購入することによって、独立する、さらには新規上場を目指す、という気概のある経営者が実施するMBOであれば、これは良いMBOといえる。
今の親会社の元ではさまざまな制約があるが、独立することにより経営の自由度が上がり、さらにはモチベーションも上がる。このようなMBOであれば、日本の経済の発展にも繋がるし、個人的にも応援したくなるMBOである。

